皆さんが毎日大事に使っているiPhone。
電話やLINEで連絡を取る・写真を撮影する・SNSを利用する・電子マネーを使う・ゲームやアプリをするなど、もはや生活の一部と言っても良いですよね。
しかし毎日使っているからこそ、iPhoneは徐々にダメージを負っていきます。
「朝は充電100%だったのに、昼過ぎにはもう半分しか残量がない…」
「最初はキビキビ動いてたけど、最近はアプリの立ち上がりが遅いような気がする…」
「何度か落としたせいで、あちこち傷だらけ…」
こうなってくると、多くの方はこのように考えます。
「そろそろ…買い替えの時期かな?!」
良いですよね。新型iPhone。
性能はアップしてますし、もちろんバッテリーも新品。普段使いならフル充電から2~3日はバッテリーが持つかも。
複眼レンズカメラだったり、新機能だったり。デザインも洗練されています。友人にも自慢できます。
再セットアップはちょっと面倒かもしれませんが、今どきはiCloudを通してサクサクできます。
まぁ、ちょっと高額かもしれませんが、分割払いなら無理せずに購入できますね。
いやいや、ちょっと待ってください!
あなたのiPhoneは本当にもう使い物にならないのでしょうか?処分しても良いのでしょうか?
少し前の話ですが「mottainai(モッタイナイ)」という言葉が世界中に広がり話題となりました。
この言葉を広げたのはケニアの環境保護活動家のワンガリ・マータイさんという方で、ノーベル平和賞を受賞されています。
また、近年盛んなSDGsでも目標12として「つくる責任・つかう責任」が定められています。
地球の未来のために、廃棄物の発生防止、削減、再生利用や再利用をしようという目標です。
さらに先日、アメリカのバイデン大統領が「スマホなどの修理に関する制限を禁止するルールの作成」をしていることが各新聞社などから報道されました。
背景としては、アメリカではApple製品の修理はApple社が指定した業者のみに制限しています。
それによって修理業務は一部企業の独占となり、これが修理費用の高額化につながっていました。
また「修理が高いから買い換えよう」ということで故障した端末が安易に廃棄されるため、環境保護団体からもクレームがあったようです。
iPhone誕生の地であるアメリカでも、このような流れとなっています。
さて、ここまで色々と書きましたが結局言いたかったのは、
「えっ、そのiPhoneまだまだ使えますよね?!買い替え早くないですか?」ということです。
新型iPhoneは今の機種と比べて圧倒的なメリットがありますか?高額な費用を払う価値がありますか?
…メリットが無いのに買い換えるんですか?
こんなことを書いていますが、別にApple社に恨みがあるワケではありません。
むしろ、もっとiPhoneユーザーが増えて欲しいと願っています。
iPhoneのシェアが100%になった日には、赤飯を炊いてお祝いしたいぐらいです。
けれども言わせて欲しいです。
「そのiPhoneの買い替えは早いですよ」と。
ここからは、そう考える理由を述べさせて頂きます。
まず、iPhone買い替えの理由No.1とも言える「バッテリーの持ちが悪くなった」。
頻繁に充電する面倒臭さ、モバイルバッテリーを持ち運ぶ面倒臭さ、電池残量に気を使う面倒臭さ…。
分かります。私にも経験がありますから、その面倒臭さは良く分かります。
しかし、その問題は「バッテリー交換」で解決します。
皆さん、ご自宅で「時計」はお使いですか?
掛け時計だったり、置き時計だったりタイプは様々ですが、乾電池で動くタイプの時計です。
例えばですが、乾電池が消耗しきってしまい時計が止まったらどうしますか?
まさか時計を処分しないですよね。おそらく、ご自身で乾電池を交換した後にまた使うでしょう。
それなりに安価な時計ですらそうなのに、なぜ高価なiPhoneはバッテリー消耗だけで処分するのでしょうか?
もちろん「自分で乾電池交換できる」のと「業者に依頼が必要」なのは手間と費用が違います。
バッテリー交換するというのは、まったくのノーリスクとも言えません。
それでも、iPhone本体の価格に比べればバッテリー交換はそれほど高額とは言えません。
バッテリー交換さえしてしまえば…上記の不満は解決できます。
次に、iPhone買い替えの理由として多い「動作が遅い」。
アプリを立ち上げるのに何分も待たされるという事はないけれど、なんだかワンテンポ待たされる。
それが1日数十回も重なるとストレスになる。買ったばかりの頃はこんな事は無かったのに…。
iPhoneの動作が遅くなってしまう原因は様々です。
「写真や動画やアプリが多くてストレージが不足」
「閉じたつもりのアプリがバックグラウンドで動いている」
「safariなどアプリのキャッシュがたまっている」
このような理由であれば、iPhoneから余計な写真やアプリを削除したり、バックグラウンドのアプリを停止したり、キャッシュのクリアで解決します。
しかし、これらをやっても解決しないのであれば「バッテリーの劣化」を疑うのも1つです。
「バッテリーの劣化とiPhoneの動作は関係なくない?」と思われたかもしれませんが、大いに関係あります。
実は、iPhoneはバッテリーが劣化すると「あえて」動作が遅くなるようにApple社によって設計されています。
あえて遅くする理由としては「バッテリーが劣化するとiPhoneが強制的にシャットダウンしてしまう事がある」ので、それを防ぐためです。
このことについてはApple社自身が認めています。別に「早く買い替えてくれ」と考えてコッソリと嫌がらせをしているワケではありません。
とはいえ、結果的には「古くなったら遅くなった」と思ってiPhoneの買い替えに繋がっているのも事実です。
このバッテリー劣化によるiPhone動作が遅くなる現象の改善策は1つしかありません。
そうです。こちらも「バッテリー交換」となります。
ただし、前述の通りにiPhone動作が遅くなる理由は様々です。バッテリー交換だけでは必ず動作が早くなるとは言えません。
最後に、iPhone買い替えの理由として多い「iPhoneの損傷」について。
街中を走っている車を見れば一目瞭然ですが、日本人は国民的に「キレイ好き」だと思います。
ほとんどの車は傷もなく、ヘコミもなく、汚れも目立ちません。逆に、そのような車が走っていると目立ちます。
スマホも同様で、皆さん非常に大事に使用されますよね。
そういった国民性は私は好きですし、私自身もスマホはなるべく傷が付かないように使用しています。
とはいえ。
毎日持ち歩くのですから、絶対に落とさないという保証はありません。
もしケースを付けていても、落とし方が悪ければ傷がついたり、液晶ガラスがヒビ割れたりします。
本体カバーの傷は多少気になったとしてもiPhoneの動作には影響はありません。ケースをつければ物理的に見えなくもなるでしょう。
しかし、どうしても気になってしまうのは「液晶ガラスのヒビ割れ」です。
まずiPhoneの画面を見るときには必ずヒビが目に入ってしまいます。
また、画面フィルムなどをしなければ、ヒビ割れの部分に指が引っかかる感触があります。
気になるけれど、実用上は問題がないから修理もせずにそのまま使い続ける。
すると何かのアクシデントによってヒビ割れが大きくなったり、ヒビ割れから水が入ってしまうリスクが増えます。
最悪の場合はiPhoneの画面表示ができない・起動しないなどの事態も考えられます。
そうなったら「仕方ないから買い換えよう」となってしまいますよね。
ちなみに、ガラスが割れて破片が指に刺さってしまうこともあります。なかなか抜けないので本当にやっかいです。
私としては、最悪のパターンになる前に「ガラス液晶の交換」することをオススメします。
ほとんどのiPhone修理ショップではバッテリー交換よりも高い修理価格設定となっていますので、それほど安価とは言えません。
どうしても金額的にネックなのであれば、液晶保護フィルムなどを活用しましょう。
とにかく、「ある日突然、iPhoneが起動しなくなった/画面表示しなくなった」というリスクに備える必要はあると思います。
以上が、
「バッテリーの持ちが悪い」
「動作が遅い」
「画面のヒビ割れが気になる」
という理由だけでiPhoneを買い換えるのはモッタイナイという私の考えでした。
もちろん、
「常に最新機種を使いたい」
「新機種に買い換えるメリットが多い」
「今のiPhoneはiOSのサポートが切れる」
「理由は不明だがとにかく使いにくい」
「自分は新機種を使い、今の機種は子供に引き継ぐ」
といった理由があるのでしたら、新型iPhoneを購入するなり、中古で型落ちのiPhoneを購入するのが良いと思います。
そうではなくて「分割払いも終わったし…」「ちょっと調子悪いし…」「なんとなく…」などとお考えであれば、今お使いのiPhoneをもう1年でも2年でも大事に使って頂きたいと思います。
幸いなことに、日本ではApple指定業者以外でもiPhoneの修理ができるのですから。
長文お読み頂きまして、ありがとうございました。
㈱InformationDetective代表取締役 合津貴志